こんにちは。いそのといずみかわです。
2021年3月25日(木)にパブリック開催のAStudy、"AStudy+"を実施しましたので、その内容をお届けします!
AStudyとは?
AStudyとは"ASKUL Study"の略で、知識の共有を目的として、ASKULで独自に行なっているイベントです。 勉強会やイベント、カンファレンス、LTなどを企画していますが、現在はLTを中心に実施しています。 テーマは自由で、毎回3~4名の方がスピーカーとなってお話いただいています。
2018年3月からスタートし、ほぼ毎月実施しています。
概要
今回は社外の方でも観覧可能なパブリックな場での開催とし、AStudy+と銘打ちました。 登壇者は今回も社内から4人、発表時間10分でLTをしていただきました。それぞれの内容を紹介します!
10分で「エラスティックリーダーシップ」をアウトプット
1番手は4月で入社2年目になった、しゅんの 10分で「エラスティックリーダーシップ」をアウトプット です。
これはエラスティックリーダーシップという書籍を読んだしゅんが、アウトプットすることで理解を深めるという目論見のもと、
ビジネス書紹介YouTuber的な雰囲気で紹介してくれる発表でした。
余談にはなるのですが、彼はプレゼンテーションの作り方に造詣があり、とてもわかりやすい作りになっていますので是非ご覧ください。
まずは早速「チームのモードに合わせたエラスティックなリーダー」を目指そうという結論からスタートします。
「チームのモード」というのは、サバイバルモード/学習モード/自己組織化モードという3種類があり、チームの状態によって順に遷移するものになります。
各チームとそれに適するリーダー像についてほんの少しだけ紹介いたします。
サバイバルモード / リーダー像:指揮統制型
学習する時間が十分になく、火消し作業などをする必要に迫られ遅くまで残業が発生しているような状態で、バス係数というものが高くなるそうです。
*バス係数というのは「メンバーの何人がバスに轢かれたらチームが破綻するか?」というものです。詳しくはスライドをご覧ください!
興味深いのは、このモードにいる人たちは「ある種のヒーロー」として居心地の良さを感じていたり、サバイバルモードに留まりたいという中毒症状を見せるそうです。
こんなモードに適するリーダー像は、チームが何をすべきかを決定したり、ゆとり時間を作ることで学習モードへと進むことを目指すリーダーです。
学習モード / リーダー像:コーチ
十分なゆとり時間があり、その時間を建設的なことに使うことができたり、コミットメント言語を用いているという状態です。
*コミットメント言語というのは「火曜日の18時までに終わらせます」というように、明確な期限を設定することで言質を自ら与え、逃げ道を作らないという手段です。
このモードに適しているのは、チームが抱えている問題を自力で解決させられるように教え、挑戦させるリーダーです。 ここでは学ぶべき教訓があるならば、チームが誤った決定を下すことも許容するということも必要となります。
自己組織化モード / リーダー像:ファシリテーター
何の心配もなく携帯の電源を切って数日間仕事を放置できるという状態で、 自分たちの問題を自力で解決できたり、意思決定も自分たちでできるという理想的なチームになっている段階です。
ここまできたチームに求められるリーダーは、チームを信頼しチームの誰のやり方にも口を挟まない代わりに、 環境や条件、目的などがチームに適した状態かどうかに気を配るリーダーです。
以上がチームのモードとリーダー像に関するお話の一部分でした。
実際の書籍では他にも、前述した「バス因子」を減らすためのプラクティスであったり、コミットメント言語について詳しく述べていたりするそうです。
私個人としては非常に興味深い書籍だなと思うとともに、
新卒同期の中でもリーダー的役割を担うことの多いしゅんが意識して書籍の内容を実践しているのがわかり、
同期としてどういった形で協力をするのがいいのかを知ることができたのもよかったです。
10分で行われたとは思えないような充実した内容で、紹介したいことも多くなってしまったので長くなってしまいました。
詳しくは発表資料と書籍で! ということにして次の発表の紹介に移ります。
ラズパイ使って照明制御してみた
2番手で登板していただいたのはこちらも新卒2年目となったたっつーです。 【社内勉強会】AStudy Advent Calendar 2020開催レポート にて少しだけ紹介いたしました、「Raspberry Piを使ってスマートリモコンを作ってみた」の続編となっています。
スマートホームを活用して「電気つけて」「電気消して」など、声で操作できるようにする構想もある
と今後の展望を語ってくれていましたが、それが実現したためその内容を話してくれました。
声で操作、ということで実際の発表ではオンライン開催の利を活かしてデモを行ってくれました。
「電気を消して」「電気をつけて」という言葉に反応してすぐに電気が消灯、点灯するのを見て参加者は大盛り上がり、
最先端でクールな暮らしかたが垣間見える発表になりました。
ではどうやって声で電気を操作できるのか、というところを少しだけ紹介します。詳しくは発表スライドからご覧ください!
構成は非常にシンプルで、
1.スマートホームに話しかける。
2.スマートホームが認識する。
3.スマートホームが認識した処理をRaspberry Piに送信する。
4.Raspberry Piによって電気をつける信号を送る。
という順序になっています。 Raspberry Piとスマートホームの接続についてはNode-REDを利用しており、とても簡潔に作成できるとのことでした。
また、スマートホームと照明を接続するのにはスマートフォンのアプリを使うことでこちらも容易に設定できるようです。
興味がある方向けに発表資料にはブレッドボードを用いた回路構成も載っておりますのでぜひご覧ください!
スマートでどこかインテリジェンスな暮らしには誰しも憧れるのではないでしょうか。
それに一歩近づくための大きなヒントのような発表でした。
DiscordBot はじめの一歩
3番手はまたも2年目、みわすけの発表です。 近年急速にシェアを拡大し、その名前を聞くことが増えてきたDiscordという「ゲーマー向けの無料ボイスチャットアプリ」(公式サイトより抜粋)で 利用できるBotの作成について解説してくれました。
まず、DiscordのBotというのは次のような特徴があるそうです。
・ユーザの入力に自動応答させられる。
・ユーザができることなら大体できる。
・複数のプログラミング言語に対応している。
そんなDiscord Botをなんとライブコーディングのような形で作るという発表をしてくれました。
特定の文字列をチャットで送るとBotから反応がなされるというサンプルBotを作るものでしたが、あっという間に完成し、 作り方だけでなく非常に簡単に作ることができるというハードルの低さも示してくれました。 Discordをお使いの方はぜひ一度トライしてみてはいかがでしょうか?
1on1をする上で大切なこと
4番手は、エンジニアリングマネージャーを務めるこたにんさんの発表で 「1on1をする上で大切なこと」です。
1on1とは、上司と部下で行う定期的な1対1のミーティングのことで、社会人であれば経験したことがあるという方も多いと思います。
今回の発表では、1on1を実施する上で意識すべきコツを上司(マネジメント)と部下(メンバー)両方の視点から紹介していただきました。
発表の中で、私が一番印象に残っている言葉は、1on1は「される」じゃなくて「する」 というものです。 部下の視点で1on1を考えたときに、上司の貴重な時間を割いてもらい1on1で自分の話を聞いてもらうというのは、どうしても引け目を感じやすい部分があると思います。しかし、部下の成長はチームの成長に繋がる、もっと積極的に1on1を活用してほしいとこたにんさんは語りました。
実際、筆者である私も新卒2年目であり上司と1on1をする機会も多いですが、やはりどこか「してもらっている」という意識がありました。 今回の発表ではまさに私のそういった意識を見透かされたような気がして思わずどきりとしてしまいました。 逆に、上司がどのようなことを望んで1on1に取り組んでいるのかが垣間見えたことで、今後1on1での立ち振る舞いや取り組み方へのヒントにも繋がったと思います。
皆さんは普段どのような意識で1on1に取り組んでいますか? この機会に振り返ってみるのもいいかもしれないですね。
感想
いずみかわ
今回は初めての社外に公開する形でのAStudyでしたが、入社1年目のフレッシュな若手エンジニアが3名も登壇してくださり、そのバイタリティには驚かされるばかりです。発表テーマもラズパイやDiscordBot・エラスティックリーダーシップなど、彼らがプライベートな時間で勉強している内容で、常に新しいことにチャレンジし勉強を続けていく姿勢にはとても刺激をうけました。 また、自分の好きな技術やテーマについてイキイキと語る姿を見ていると、勉強やプログラミングって楽しいものなんだなと再認識できました!
こたにんさんの発表では、マネージャーという立場だからこその強い説得力で、私の1on1に対する認識を一変されられました。私は1on1ではあまり話すことがなく時間を持て余してしまうタイプだったのですが、勿体無いことをしていたんだなと痛感しています。
このように、普段の業務では知り得ない知識や考え方に不意に出会えるのがAStudyの魅力だなと感じられる回だったと思います。
また、これまでブログでしか皆様にAStudyの雰囲気をお届けできませんでしたが、パブリック開催を行い皆様に生の空気を感じていただけたということがとても嬉しいです。再びこのような機会があった際には、皆様に会えることをとても楽しみにしています!
いその
今回のAStudy+はリーダーとしての在り方だけでなくチームの一員としてどんな成長が求められるのかといったところまで説いてくれたしゅんの発表と、
1on1に着目してエンジニアという枠ではなく社会人として大きく成長するためのヒントを与えてくれるようなこたにんさんの発表が個人的にはかなり突き刺さりました。
大勢の中の1人として漠然と仕事をするのではなく、成長をもっと強く意識して、将来のビジョンを描きながら働いていきたいと気持ちを新たにできました。
新卒2年目となった自分としては、最高のタイミングでこういったマインド的な発表を聞くことができたと思います。
また、社内に閉じて今まで25回行なってきたAStudyをパブリック開催するということで不安もあったAStudy+ですが
いつもどおりの雰囲気で無事に終えることができ、参加者の皆さまに多大なる感謝を申し上げます。
いつものように幅広い題材で、全く飽きさせないような構成でとっても楽しく、刺激になりました!
おわりに
今回は初めてのパブリック開催で手探り状態でしたが、参加してくださった皆さまには格別の感謝を申し上げます。
また、公の場での登壇という大役をしゅん・たっつー・みわすけ・こたにんさんの4名に担っていただきました。
重ねてになりますが参加者の皆さま、4名の登壇者の皆さん、ありがとうございました!
バックナンバー
2021年
【社内勉強会】AStudy Advent Calendar 2020開催レポート