2020年アスクルの新卒エンジニア研修の報告(前編)

こんにちは。今年4月アスクルに入社した新卒エンジニアメンバーです。

今回は、アスクルの新卒エンジニアは研修でこんなことしました! という報告記事を書きました。

全体研修

概要

2020年4月。

アスクルに新卒エンジニアとして入社した私たちの、待ちに待った新卒研修がついにスタートしました。

とはいえ、エンジニアとしての入社といえど開発技術だけを身につければいいというわけではありません。入社してからの2ヶ月の間は、同期の総合職27名・デザイナ2名と共に、社会人の基礎を身につけるための全体研修に参加しました。

全体研修のカリキュラム

研修のカリキュラムは次のとおりです。

  • ビジネス常識およびマナー研修
  • 課題解決型グループワーク
  • ビジネス書の輪読
  • 会計思考
  • デザイン思考
  • 本部研修
  • センター研修

等々、全体研修のカリキュラムは多岐に渡りました。上記に挙げた内容もその一部でしかありません。また、このすべてをオンラインで実施しました。

すべてを説明してしまうととても長くなってしまうので、ここでは、全体研修の中でも特に強く印象に残っているデザイン思考ほめほめタイムについてご紹介します。

デザイン思考

デザイン思考とは、従来の「技術中心」「市場中心」の製品・サービス開発とは異なり、  "ユーザ自身が気づいていない潜在的なニーズ"  を発見しアプローチしていくためのマインドセットのことです。

これまでの「技術中心」「市場中心」が先行した製品開発からは生まれ辛い「潜在的ニーズ」を掘り起こせる可能性があるということがポイントになります。

デザイン思考の5つのステップ

デザイン思考では「共感」「定義」「発想」「プロトタイプ」「テスト」という5つのステップがベースとなります。研修ではこの5つのステップを、テキストを読み理解を深めた後、グループワークによる実践を通して学んでいきました。

では実際に研修で行った取り組みを少しだけご紹介します。

ざわざわ感の解決

その頃ちょうどアスクルでは、テレワークでの働き方が主流になってきている一方で、テレワークでの慣れない環境・ツールに戸惑う社員が多く見受けられる時期でした。そのざわざわ感の解決をテーマの1つとして、私たちはグループワークに取り組みました。

各々の細かい説明はここでは割愛しますが、グループワークでは「共感」「定義」「発想」のステップを次のプロセスを通し進めていきました。

共感:ステークホルダーマップ、カスタマージャーニーマップ。

定義:POV穴埋めシート+タテマエメソッド。

発想:SCAMPER法。

次の図は、実際にグループワークで製作したカスタマージャーニーマップです。ざわざわ感の解決策として考案した「テレワークの手引き」や「Zoomお作法」についてのユーザの体験が時系列に沿ってまとめられています。

zoomCustomerjourneymap.PNG

まとめ

デザイン思考の研修を通して行ったざわざわ感の解決は、研修内だけの成果物に留まらず、アスクル社員が利用できる形で社内に公開されました。

先輩方からのフィードバックもたくさんいただくことができましたし、何より「ユーザの潜在ニーズを見つけ人間中心にものごとを考える」という経験はとても貴重なものとなりました。

ほめほめタイム

ほめほめタイムとは、チームごとに行っていた学習内容を全体へ発表した後に、時間を設けてチームメンバーの活躍っぷりを褒めまくる時間のことです。

最初の10分間はチームメンバー1人ずつに、尊敬している点や褒めたい点を書いて送ります。その後、褒める対象を1人ずつ回し、その人に対して他のメンバーが口頭で順番に褒めます。 (意見をまとめるのが上手/議事録を素早くまとめてくれる/細かいことを見落とさず拾ってくれる など)これを行うことでみんながハッピーになれるという会です。

褒められる側は、終始頬が緩んでいる人がほとんどで、恥ずかしながらも喜んでいる姿が印象的でした。

オンラインでのほめほめタイム

homehome_log.PNG

オフラインでのほめほめタイム

homehome_log.PNG

まとめ

この会を行うことにより、自己肯定感と自信が非常に高いレベルで身につけることができたと感じました。常に一緒に研修を受けて自分の行動を見ていたメンバーからの褒め言葉は、とても幸せな気持ちにさせてくれました。

この会を行うことでその後の人間関係も充実しやすく、生産性がさらに上がると感じたため、今後も定期的に開催していきたいと思いました。

学んだことと感じたこと

いずみかわ

私はこれまでの学生生活で「技術中心」の考え方をすることが多く、デザイン思考でプロダクトを考えるというのはとても新鮮な体験でした。エンジニアだからこそ欠けていた視点でもあり、この全体研修で学ぶことができたのは、今後エンジニアとして大きな強みになるだろうと感じました。

てんてん

議論の場では的確な意見を出そうと考えている自分は、気楽に発言できず、チームメンバーに申し訳ないと思いながらディスカッションをしていました。しかし、タイムで「指摘が的確。しっかり考えて見てくれている」との言葉を頂き、自分のやり方がチームメンバーが理解してくれていることを知ることができました。もどかしいところに手が届いて幸せになれる時間でした。

技術研修

概要

総合職メンバーとの全体研修が終わり、少しプログラミング作業が恋しくなってきたあたりでエンジニアとしての技術研修が始まりました。

技術研修の大きな目的は2つありました。1つは、異なるバックグラウンドをもつ新卒エンジニア同士が互いの能力を高め合い、一定水準以上の技術力を獲得すること。もう1つは、「最速最強のエンジニア」になるための基礎力を培うことでした。

後述しますが新卒メンバーでスケジューリングしたり相互にフォローしあうことで技術的な部分以外も鍛えられました。

スケジュール

約1ヶ月間のエンジニア研修で行なった内容とスケジュール感は次のような感じです。

  • アルゴリズム(2日)
  • データベース(2日)
  • Java、OOP(4日)
  • Linux(1日)
  • アプリケーション設計(1日)
  • ソフトウェアテスト、JUnit(3日)
  • Spring Boot(6日)

Webアプリケーション作成に必要な技術を幅広く学びつつ、JavaやJavaのフレームワークであるSpring Bootに関しては日数をかけ重点的に研修を行いました。

進め方の工夫

技術研修を進めるにあたり、次の3つが大事になると私たちは考えました。

(1)チームでのフォロー

それぞれに異なるバックグラウンドがあり、技術的なスタートラインが違う分、お互いにどのように教え合うかということです。特にオンラインの特性上、全体での研修で個別に教え合うということが難しいため工夫が必要でした。そこで次のような取り組みを話し合い、実施しました。

  • 少人数でグルーピング
  • 分からないことをSlackに投稿する
  • 休憩などタイムマネジメントをしっかり行う

まず、「少人数でグルーピング」を実施することで質問のしやすさを担保し、個別に対応し合えるようにしました。自然にコミュニケーションが活発になり、お互いのパーソナリティを知り合うという意味合いにおいても意味のあることだったと思います。

次に「分からないことをSlackに投稿する」ことで、それに対し他のメンバーが回答しナレッジが溜まっていくという形式をつくることができました。Slackを利用する目的は発信の手軽さと、メッセージを固定したりリアクションできたりと振り返りのしやすさに価値を見出したからです。

最後に「休憩などタイムマネジメントをしっかり行う」ですが、技術研修は特にひとり黙々と作業することが多く、時間を忘れて課題に取り組むという場面が多かったように思います。もちろんこれはよいことなのですが、研修を進めるうえでの効率性やヘルスケアを考慮したときに、意識的に休憩を取るということが大事だと気付きました。

(2)学びの振り返り

その日の学びをより定着させるために、どのような振り返りを実施したのかということです。

学びの振り返り

私たちはConfluenceを利用し、研修内容ごとにページを作成し全員が記録するという方法を採用しました。そうすることで、その日その日の学びが可視化・文章化され、蓄積されるような形式を実現できました。

また、Confluenceではページ内でコードブロックが使用できるほか、視覚的に見やすくするマクロが多数用意されているので振り返りと後からの見直しがしやすかったです。

(3)学びの報告

社会人として企業のなかで勉強をさせていただいているうえで、その日の学びを報告するということは大切なことになります。

(2)で述べたとおり、私たちは学びの振り返りをConfluenceに記録していました。Confluenceには前述のほかにページをPDFファイルにエクスポートするという機能が盛り込まれています。振り返りを目的に視覚的に分かりやすく記録したページを報告にも流用できたので、まさに一石二鳥でした。

その他の取り組み

その他の取り組みとして、日直制の導入があります。

人数確認や学びの報告、自分たちで何かを進める必要がある際に誰かが舵を切る必要があります。その舵切りを日直制にしよう! という取り組みです。

今日の日直

Confluence上に、日付をベースにその日の日直を表示するJavaScriptコードを埋め込みました。こうすることでその日の日直が誰なのかを失念することがなくなり、個々が責任感を持ちやすくなったと感じています。

この取り組みは総合職の方々にも共有し、全体でも日直制が採用されました。

また画像中に「日報FBメンバーのランダム生成」というキーワードがありますが、新卒研修中私たちはその日やったことと思ったことをベースに日報を記入し、総合職・デザイナ含め新入社員同士でFB(フィードバック)をしていました。日報FBメンバーのランダム生成とは、そのFBメンバーをランダムに決定するという機能です。こちらも日直制と同様に全体でも採用していただきました。お互いの日報を読みFBをすることで、なにをやったのかということを知ることができるほか、自分とは違った知見を手に入れることができたと考えています。

学んだことと感じたこと

いその

総合職との全体研修の間はほとんどエンジニアとしての技術に触れないまま技術研修を迎えるということで同期のレベルなども全く不明で、やるぞ! という気持ちはあるものの、置いて行かれないか不安でした。実際には丁寧な講義と、同期同士でサポートしあう空気感のおかげで置いて行かれることなく、とても楽しく研修を終えることができました。また、研修を通して同期エンジニアとたくさん話し、よりよい仲間となれたことは大きな財産を得られたと感じています。

しゅん

エンジニアとしてのバックグラウンドとバックボーンの両方が違うメンバーが、これだけ学びを深め合い、同時に親睦も深め合うことができたのにはとても大きな価値があったと感じています。もちろん技術の側面でも、コストも重視したオーバースペックになりすぎない開発やコーディング以外でも上流・下流工程の大切さなど学ぶことが多くありました。技術研修での学びは今後の長いエンジニア人生に活き続けるはずです。

みっちゃん

入社して2ヶ月間は総合職の方々と一緒に研修を行っていました。そのため新卒エンジニアメンバーは、お互いに同じエンジニアだとはなんとなく知りつつもあまり話したことがない微妙な距離感でした(笑)しかしこの1ヶ月間、教え合い助け合いながら同じ研修を受けることでお互いの距離がどんどん縮まり仲良くなれたと思います。自分はそれがとても嬉しかったです。

後編の予告

今回はここまでです。

次回は、新卒エンジニアメンバーが課題解決として取り組んだチーム開発と、新卒研修を通しての各々が感じたことを報告する予定です。お楽しみに!

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